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三温糖の脱色における活性炭選定の考察

2022/12/06

前回ブログの続きで
今回は実サンプル(三温糖)脱色における活性炭選択の考察を紹介します

三温糖とは砂糖の製造工程で純度の高いグラニュー糖や上白糖を分離精製して
残った糖蜜を繰り返し加熱して作られています
三温糖の薄茶色はこの加熱の際に起こるカラメル反応によって糖が分解・結合から生成されたカラメルによるものです

このカラメル反応による色を高濃度三温糖液から脱色する活性炭選定のアプローチを紹介したいと思います

下のグラフは高濃度三温糖液を
2種類の活性炭で脱色した際の吸光度と
この吸着条件下での活性炭1g当りの減少吸光度の
関係を示します

このグラフのカラメル色素濃度範囲においては
活性炭Bの方が活性炭Aに比べて
活性炭1g当りの脱色能力が約3~6倍脱色性能が高い事を示唆しています

三温糖中の着色起因物質は
ほぼカラメルと考えられていますので、
このグラフの吸光度から
カラメル濃度を計算して変換すると
下のグラフのように
高濃度三温糖液中のカラメル吸着等温線になります

このようにすると
具体的なカラメル量として試算できるようになります
この三温糖の脱色条件下では
活性炭Aのカラメル単位吸着量は活性炭Bと比較して
残存カラメル濃度依存性が低い事かわかります

この結果を利用すれば、
三温糖を脱色して目標の吸光度まで落とすためには
理論上過不足のない活性炭量がどれくらい必要なのか?
試算できます

活性炭Aと活性炭Bの比較では目標カラメル濃度によって
その脱色性能差が異なっています
グラブ内赤線濃度域であれば、活性炭Bが活性炭Aと比べて約5倍吸着性能が高く、
緑線濃度濃度域ではその差は約3倍です
これに活性炭のキロ単価を加味して三温糖脱色の為の必要な最適化予算も試算可能です
目標濃度域によって脱色性能差が変化しますので、
注意が必要です

特にバッチ処理での脱色工程では
オーバースペックで高価すぎる活性炭や過剰使用していないか?
再検討の余地がありそうです

三温糖脱色のもう一つの例を挙げてみます
下のグラフは
同じ脱色条件下で似た等温吸着線で残存濃度依存性が異なる
活性炭3種類のプロファイルです

この濃度範囲の脱色性能を単純に定性的に捉えれば、
活性炭D>活性炭>C>活性炭Eになります

この活性炭選定に定量的な考察を加えれば、
活性炭1g当りの単位吸着量から
残留カラメル濃度が360mg/l(グラフ内赤線)が
目標濃度であれば、
活性炭Eのキロ単価と比較して
活性炭Dなら35%以内、活性炭Cなら17%以内の
上乗せ単価であれば、置き換え検討の対象です
一方、
目標濃度が240mg/l (グラフ内緑線)ならば、
活性炭Dなら10%以内、活性炭Cなら5%以内であれば、
検討対象です

価格だけでなく、
脱色工程の際の使用量にも同様の試算が可能です

最後に参考データとして
活性炭C、D,Eのよう素吸着性能と
メチレンブルー(MB)吸着性能を
下の表に示します
今回の条件下の三温糖の脱色では
両者の分析値との明確な相関は見られませんでした

よう素吸着性能 (mg/g) MB吸着性能 (ml/g)
活性炭C 880 200
活性炭D 1140 290
活性炭E 990 240

三温糖の着色物質は主にカラメルと考えられていますが、
しょう油、味噌、だし、みりん等の多くの食品の褐変は
カラメル反応(糖―糖反応)と
メイラード反応(糖-アミノ酸反応)が
同時に起こっているとされています。

今回は
三温糖高濃度溶液の脱色例を紹介させていただきましが、
弊社ではこの活性炭選定アプローチは他のサンプルにも適用可能と考えております

このように活性炭を選定する際には
単純な価格比較のみでなく、
実際のサンプルマトリックスを用いて
共存物質との競合吸着や粘度等の影響も加味し
目標濃度近辺の等温吸着線分析を行い、
オーバースペックもなく最適化された使用量と価格で
選定評価することがコスト削減のヒントになります

活性炭選定の御相談は
弊社技術部にお問い合わせ下さい

水処理・活性炭の
サンフロンティアケミカル株式会社
技術部
TEL : 0867-35-1811

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